単心室症に対する段階的フォンタン手術
単心室症には形態的な疾患(右室型、左室型あるいは分類不能型)と機能的なもの(病名としては他の疾患に入るが、様々な理由でふたつの心室として修復困難な場合)がありますが、どちらの場合も一つの心室内で動脈血と静脈血が混合され体と肺に送り出されるため、ほとんど症例でチアノーゼが認められます。そのためいずれ場合においても、フォンタン手術を最終目標として段階的に心内修復を行っていきます。
治療法
グレン手術/ヘミフォンタン手術
まずは上半身の血流が肺に直接流れるようにする手術(グレン手術あるいはヘミフォンタン手術)を行いますが、この時点では下半身の血流は直接心臓に戻ってくるためまだチアノーゼはなくなりません。
フォンタン手術
その後時期をみて(通常1歳後半から2歳台)下半身の血流も肺に流れるフォンタン手術を完成させ、チアノーゼを回避していきます。
一般的に2回に分けて行いますが、合併する病変や肺の状態によっては,時期をみながら3~4回におよぶ手術が必要になる場合もあります。(肺血流が少ない場合は初回手術としてシャント手術、逆に多い場合には肺動脈絞扼術を行います。)いずれの疾患においてもフォンタン手術を目指すうえでは肺高血圧症を予防していくことが非常に重要になるため、治療方針を決めていく際にはひとりひとりの状態をよく把握していくことが大切です。
病気によって認められる症状・所見は様々なことが多く,たとえ同じ病名であっても重症度や心臓の大きさ、形態によって治療方法(手術の方法や手術をする年令)が異なってくることも決して少なくありません。手術方法としても、一回の手術で直す場合(根治術)や何度かの手術を経て直す場合(段階的手術)、あるいは一時しのぎの手術(姑息術)をしてから根治術を目指す場合と様々で、心臓を止めて行う場合と心臓は止めずに行う場合、さらには血管だけを手術することもあり、個々の年令や症状、合併する病気の有無などによりそれぞれのお子さんの状態に応じ、より安全な方針を考えていきます。
